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ソーラー発電ノイズ(1) [アマチュア無線]

ノイズ調査の協力依頼をしていましたが、施工業者とメーカーのエンジニアが来ました。
当日の段取りを聞き、パワコンをON/OFFしてノイズがどうなるかを確認させてもらいました。

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パワコンを開いてチェックするシャープエンジニアリング(株)のUさんと、それを見守る(株)アクティブのNさん。
Uさんはパネル入力の電圧を確認しているようです。

特小トランシーバーを渡して、ON/OFFのタイミングを聞きます。
「パワコンOFFしました」の連絡が来る15秒前に、S5~7振っていた50.111MHzのノイズは、S1程度になりました。
もう一度ONしてもらうと、初期化の音がノイズとして聞こえ、天候が良かったこともあるのですが一瞬でMPPTがロックして最大出力になったのをノイズの音調で確認できました。

DSC02563.jpg
ふたを開けたパワコン。

左の白黒2組がソーラーパネルからの配線です。
MPPTサーチの音調から2系統制御だと予想していたのが当たっていました。

ところで、この白黒配線ですが、ここはDCなので正しい配線をすると白赤または赤青にするはずです。または、ソーラー専用の黒い高耐圧ケーブルに赤白リングがついている物を使うはずです。白黒は単相ACラインで使うもので、手抜きをして手持ちを流用したのがバレバレです。
うちらがよく見る赤黒は使いません。なぜなら、黒はACではラインで白はニュートラル。白がGND側です。赤黒を赤+黒-にすると、DCの黒はGND、ACの黒はラインとちぐはぐ(テレコ)になるからやらないのです。

今日は調査までですが、ノイズ源を断定できたので、「対応が出るまでは運転停止してほしい」と申し出たのですが、(株)アクティブは拒否しました。オーナーであるレオパレスの承諾がないとできないと。そこまで強い存在なのでしょうか。運転停止をすることでマイナスになる事はありません。売電できていた物が0になり、ソーラーシステム設置前の状態に戻るだけです。他人に迷惑をかけているのがわかったのであれば、とりあえず止めるのが筋ですよね。
ここで怒鳴っても仕方ないので、「では、オーナーに相談をして、運転停止ならその日時を、停止できないのであれば、納得できる理由書を、いずれも1週間以内に記録に残る形の文書で返事をください」と約束しました。

下記、(株)アクティブに送った本日の覚え書きです。

本日は暑い中、電波障害調査にご協力いただきありがとうございました。
下記、確認・合意事項です。

(1)ノイズの発生源が、レオパレス設置のソーラーシステムである事を確認した
 パワーコンディショナーのON/OFFにより、妨害波が消滅する事を確認。
 確認した周波数は50.111MHzで、ON/OFFによるレベル差は15dB程度。
 このノイズレベルは、遠距離通信を完全にブロックしてしまう強さと伝える。
 本日は日照が強く、MPPTサーチループに入っていないと思われる状態で、一定した
 ノイズのみを確認した。(MPPTループに入ると段階的で強力なノイズに変わる)

(2)具体的な対策はシャープ本社に相談してから
 Uさんの所属する相模原SS管内では事例がなく対応がすぐにできないとの事。
 本社に相談し、指示を受けての対応としたいとの事を合意。

(3)対策案が出るまで、運転を停止する旨に関しては拒否されました
 オーナーであるレオパレスの返事が無い限りは止められないとの事。
 本日すぐにOFFできないとの事なので、EMC対策は急要す状態を継続。
 1週間以内に、次の内容を文書(メールでも可)で報告する事を約束。
  ・対策が出るまで運転停止(OFF)するのであれば、その予定日時。
  ・運転停止できない(ONのまま)のであれば、納得できる明確な理由書。

(4)この事例に関しては、専門誌にて記事化する用意が有ること
 無線業界全体が気にしている案件。私はエディターをやっているので、この件は記事に
 まとめて公開するつもりであることを提示。

以上4点、議事録といたします。
次ステップの対応をお待ちします。


雑談にて、「PanasonicとSANYOはアマチュア無線の近所に設置を禁止しているという情報を得ている。シャープがどう対応するかは、それは企業力の差として評価されるだろう。」「ノイズを完全になくすのは困難なのは私も理解している。Panasonicらは無理とわかって居ての通達でしょう。今回の事例、シャープはどうしますか?」と伝えています。

<履歴>
7/15 50~3.5MHz帯で強いノイズを確認したため証拠集め。
7/15 午後イチにレオパレスに調査協力依頼をメール。夕方にレオパレスから電話が来る。
7/25 日中に施工業者(アクティブ)が事前調査に来たらしい。たまたま居た妻が確認。
7/26 昼直前にメールにて、「翌日午前中に調査を行いたい」旨受けるが、返信に応答なし。
7/27 ノイズ源の調査。原因がレオパレス設置の設備と断定。

本日はここまで。
メーカーの方はしっかりした人という印象。
施工業者の印象は、ヘラヘラしていてイマイチな印象。

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コメント 13

ust

これがあるから、自宅屋根にソーラーシステムを乗せることに躊躇しています。
とりあえず、今のところは車に積んでいるサブバッテリーの補充電ができればいいやというスタンスです。
by ust (2012-08-02 23:45) 

sawada

アマチュア無線をやっている人は、よほど好条件でない限りは辞めておいた方が無難です。
まともなメーカーなら施工を勧めないでしょう。

SUGIさんとこみたいにタワーがあって屋根との距離が確保できるなら可能かもしれませんが。

それ以外にも、ソーラー発電はあまり勧められない理由があります。
このあたりはビッグサイトでゆっくりと。

by sawada (2012-08-02 23:57) 

sawada

ちなみに、施工業者、メーカー、オーナー(レオパレス)、本日時点ではいずれも連絡が有りません。ぎりぎりにならないと回答しないのか、もしくは無視するのか、3日も有れば止めるか止めないかの決断は出せると思うのですが、何れにしても信用のおけない業者と感じます。レオパレスは良い噂は全く聞きませんし、住人も常識の無い迷惑な連中ばかりですし。

もし止める事ができないと言ってきたら、総務省(正確には関東総合通信局)に相談を持ちかけます。電機業界ではEMCでトラブルを起こしたら、まずはトラブルの根源を止めます。このような常識が通らないのであれば、良い専門誌のネタでもありますし、声を大にしてこの問題を追及していこうと思います。

私もエネルギー関係の研究に関わる人間ですので、ソーラーの良いとこ悪いとこみんな知っています。

by sawada (2012-08-03 00:01) 

JKR/ROY

太陽発電は「業者」に騙されていると思います。
発電効率が良いと言っても、夜は稼働しませんし。
よほど好条件の発電環境でも年間にしたら?
30%前後の稼働率では?

by JKR/ROY (2012-08-03 21:55) 

sawada

ROYさん、業者ではなく政府含めた業界全体だと思います。

ここではパワーコンディショナーが発するノイズ問題をテーマとしています。
ソーラー発電そのものの是非については別に話題にしようと思っています。
ごちゃごちゃになるので、このシリーズレポートでは避けましょう。

by sawada (2012-08-03 23:14) 

澤田(勝浦)

私の隣の空き地にソーラー発電が先月から動き始めました。約30KWの売電基地です。地主に事前にノイズが心配だからノイズを出さないように依頼したところ、業者からノイズは出ないとの返事をもらったと地主さんから聞きましたが、懸念した通りノイズが約18KHzおきに3.5MHz、14MHz、21MHzで出ていることが確認出来ました。ノイズの状態などを業者にメールしても返事無し、折り返し電話をお願いしたら1回目は私は無線のこともノイズのことも知らない、3回目には契約してお金を出しているのは地主さんなのであなととは話は出来ませんと言われました。一応地主さん経由でノイズが出ているので対策をしてくださいとお願いしていて地主さんにはノイズが出ないように対策しますと言っているようで近いうちにパワーコンディショナーに覆い(シールド)をつけるようになっているようです。三菱電機のシステムですので三菱電機の家庭用太陽光発電のサポートに電話で聞いてみたところパワーコンディショナーからはノイズが出るので100m以内にアマチュア無線のアンテナがある場合は設置をひかえるようにガイドが出ているとのことでした。ですから今回のこのことに関しては三菱電機としては対応出来ません、お客様同士(業者と契約地主)で解決してくださいと言われてしまいました。業者は三菱電機と話をしていると言っていますが正確にはどこなのかどうかわかりません。ノイズが出ないようにすると地主さんに言っていますので経過を見守りたいと思っています。事前にノイズは出ませんと聞いている以上私のほうは絶対に妥協はしないつもりです。
by 澤田(勝浦) (2016-10-09 13:05) 

sawada

投稿ありがとうございます。
あれから何年もたっていますが、この問題は相変わらず浸透されていないようですね。いまから作ってもペイできないのに業者はオーナーをだますようにやっているのでしょうか。
JARLは入会していますか? JARLにもこの話は以前からしており認識しています。また、ノイズ関係の国際学会にも参加しているようで、いちおう、なんらかの行動はとっているようです。JARLに相談して間に入ってもらうのも一案です。
ただ、国の政策でやっているものなので動きが重いのは確かでしょう。メーカーもこの問題が起きてからかなりの数を対応してきているようですが、免罪符「100m以内に設置しないでください」で逃げている事例が多くなっています。指示事項を守らないのは施工業者及びオーナーの責任ですから。今まではメーカーは努力目標として協力してきたようですが。
つまり、技術的に解決は困難だということです。後付け対策は完全には無理で、我慢限界(人による)までもっていくにも100万円単位の追加が発生しますので。

がんばってください。

by sawada (2016-10-09 13:47) 

澤田(勝浦)

sawadaさん、

JARLに入っていますので事前から相談していますが、最近のシステムでは、アマチュア無線とも共存できるほど雑音のレベルが下がっており相談件数は激減していますとの返事をもらい少しは安心しておりました。その時にパワーコンディショナー及び売電ラインをアンテナから出来るだけ離してもらうよう交渉してくださいとのアドバイスを受けました。一応そのように工事をしてもらいました。その後のノイズの状況などはJARLに報告しておりますがまだ特に情報、アドバイスなどはありません。来週中頃あたりにシールドの工事を行うようです。どのようなシールドなのか、またその結果は報告したいと思います。
by 澤田(勝浦) (2016-10-09 15:27) 

澤田

今日シールドの工事を行いましたが効果は全くありませんでした。分電盤から給電ポール間は地下の部分を含めてアルミのフォイルで覆ってくれましたので最初は本格的にやってくれるのかなと思いました。パワーコンディショナーを開けて外部との接続ポイントを一旦外してなにか付けたのですがわかりません。コアではないかと思います。
その後パワーコンディショナーにアルミフォイルを貼り付けていましたのでパワーコンディショナーのケースがプラスチック類なのかなと思っておりましたらケースはスチールでしたのでこれは無意味な工事でした。これがパワーコンディショナーの覆い(シールド)だったのかと思うとなんだか絶望的な気持ちになりました。パワーコンディショナーから後ろに出ているケーブルは分電盤まで繋がっていてそのままです。地主さんが来ていましたのでさらなる対策をしてもらうようお願いし地主さんも業者に連絡して対策をとってもらうと約束してくれました。
ということで次の対策待ちということになりました。先が長くなりそうです。ちなみに3.5MHzではノイズはS9ですので他のノイズレベルに落とすのは(約-35dB)相当難しいのではないかと思います。
by 澤田 (2016-10-20 19:39) 

澤田

業者は三菱電機と話をしているようなことを言っていますがもしそうであるならばパワー・コンディショナーの鉄板ケースにアルミ・フォ イルを張るような対策は絶対に出てこないと思います。 これでは本当に三菱電機と話をしているかどうか、本当に三菱電機で対策を考えてくれているのかどうか疑問を持たざるをえません。地主さんに4者(業者、地主、メーカー、私)協議を提案してもらったのですが渋っているようです。
by 澤田 (2016-10-22 19:00) 

sawada

実はメーカーもEMC(不要輻射ノイズ)の技術者はものすごく少ないです。というのも、私がトラブったときのSHARPも国内にはEMC専門の人が居ないため、ヨーロッパの支社に居る技術者を呼んで検討したようです。しかし、その人のスキルをもっても対策は失敗し、最終的には私が指示した対策方法でなんとかなった経歴があります。私はアマチュア無線もやっていますが、EMCも仕事で関わっておりかなり詳しい方です。この問題は通常のEMC技術だけでは厳しく、アマチュア無線(無線工学)のスキルも合わせて検討する必要があります。

経験上(実測も含め)、パワーコンディショナー本体からのいわゆる筐体輻射は非常に少なく、そこから出ているケーブル類にノイズが漏洩して拡散するというシステムになっています。よって、配線に何らか対策を打たないと全く効きません。

具体的に高価のあった対策は以下の通りです。

・パワコンに繋がるPVケーブル、グリッドケーブルにノイズフィルター(TDK製のラインフィルター)を、特性の違う2種類を直列に挿入
・パワコンからの接続ケーブルを全て金属製の配管に入れる
・配管は全て等電位接続をする
・パワコン直下で高周波アースを施工し、パワコン直下の接続箱のボディをアースポイントとしてアースに落とす
・アース線も金属パイプに納め、金属パイプの上側を接続箱に繋ぐ
・全ての配管と接続箱は等電位アースとなるように施工する
・パワコン&接続箱とアンテナの距離は建物の陰になる位置にし、距離は最低30mを確保する

ここまでやってガマン限界まで落とせました。
ノイズは聞こえますが、ノイズすれすれのDX相手でなければ問題ない程度です。

その後、こりもせず勝手に増設したシステムはSANYO製でしたが、14MHz以下ではメーターが振り切れるほどのノイズ障害が起きました。目標低減レベルは60dB以上で、これにはSANYOの品証も値を上げて「技寿的に無理なので撤去して下さい」という結論になり、設備はその後すみやかに撤去となりました。
メーカーは近隣のアマチュア無線への把握しており、対策が困難なことから、責任を回避しています。近くにアマチュア無線がある場合は設置しないで欲しいと。設置した場合は責任を負えないと言っています。(いちおう、設備としての国内法規は満たしているため)

それなりの規模のソーラーファームの場合、金属管で保護した配線を地中化し、パワコン等は金属製キュービクルに納め、それを高周波アースする必要があると思います。大規模なソーラーファームではこのあたりは安全上最初からやっているのでノイズの問題は起きにくいようです。

以上、ご参考まで。
詳細なレポートは「ラジオライフDX」に連載されています。バックナンバーを参照して頂ければ幸いです。

by sawada (2016-10-23 22:27) 

澤田

ありがとうございます。ラジオライフDXのバックナンバーを取り寄せて参考にさせていただきたいと思います。
現在ノイズに関する交渉を地主さん経由でしか出来ませんので地主さんも知識が無く困惑しています。次の対策でノイズが消えない場合はソーラー発電を引き取ってもらうことも考えると業者に伝えたと聞きました。
まだノイズが出ないようにすると言っていますので次の対策で今回と同じような結果でしたらもう撤去以外にないのではないかと思います。
by 澤田 (2016-10-24 09:25) 

澤田

最初の対策が全く効果無くさらに対策をするとは言ってはいるもののそれからひと月以上経ってしまいました。地主さんに催促してもらいましたら驚いたことに今SHARPに聞いているとのこと。使っているのはパワー・コンディショナーは三菱なのに。 三菱には上記100m以内のガイドを守っていないので相談出来ないのではないかと思います。

最初1・2ヶ月は待ちますがそれ以上は待てませんと伝えてありましたので、対策をきちんとしてノイズが出ないのを確認出来るまでソーラー発電を止めてもらうよう地主さんにお願いしました。地主さんはそれは困るということでしたが、そもそも落度は業者の100m以内のガイドを守っていないことにあるわけで止めている間業者が補償してもらえるならそれでもいいとのことで業者に交渉してもらっています。
ちなみにこの業者はバイオマス・ジャパン(東京池袋)という会社です。
一応総務省、経産省、国民生活センターには今までの経過を聞いてもらいました。
by 澤田 (2016-12-01 12:36) 

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