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大容量ニッケル水素の突然死と復活方法 [電子工作一般]

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大容量でハイパワーな「エネループプロ」は、アマチュア無線でもよく使うバッテリー。
しかしこれは「突然死」することで昔から有名です。

久しぶりに使おうとすると、充電済みなはずなのにすぐ電池切れになる。
満充電保存できるはずなのに、何か月か放置しただけで放電してしまっている?

実はこれ、例えば8本組の内何本かが突然死(または仮死状態)になっているのです。
充電器に乗せてみると、何本かがエラーになって充電できない状態です。(8本中1本という経験が多いです)
運よく充電器のリフレッシュを実行できれば復活することもありますがたいていはリフレッシュに入る事すらできずダメです。

そこでいろいろな実験をしてみました。

エラーになる電池は、負荷をかける(電流を流す)と急激に電圧が落ちることが分かりました。
使い切って空っぽになっている状態と近いです。
しかし、これを再充電するとすぐに満タンの電圧に達してしまいます。
容量がスッカスカに抜けてしまった感じ。

電子負荷を使用して低負荷の定電流で放電してみました。
たとえは200mAで放電を実行。これは0.1C以下の負荷です。
満充電から12時間以上放電持続する電流。

不思議なことに、放電開始直後の電圧はいったん下がるのですが時間の経過とともにじわじわと電圧が上がっていくものが結構あったのです。電子の移動により活性化している?
そして、電圧が上がってくると負荷電流を増やしても電圧が急激に落ちることが無くなってきました。

具体的には、

電子負荷の放電終止電圧を1.0Vに設定。(可能なら0.9Vに設定する)
200mA負荷(可能なら100mA)でスタートし、1時間ぐらい継続して放電させる。
電圧を見て上記スタート時より電圧が上がっている傾向が見えたら電流を増やす。
最終的には500mAくらいの電流で放電終止電圧で自動停止するまで放電し続ける。
※この作業にはトータルで5時間以上かかります

これで、積算放電電流量は2000mAhを超えました。

この低電流で放電しきった電池を通常の充電器にセットすると、エラーにならず普通に充電できるようになりました。(もちろん、この手順を何度かやっても復活しないものも経験しています)
※低電流放電→低電流充電(15時間)やっても復活しないものはダメです

フル充電した後、電子負荷でそこそこの電流(0.2Cの500mAくらいが良いが、最大でも0.5Cの1.25A程度で行う)を流して容量測定。これで定格近くの容量が出ていれば回復完了となります。

この手法は電子負荷を持っているか、低電流放電できる環境が必要なので一般の方はなかなか難しいかもしれません。一度に多数の電池を放電したいので、0.7Vを終止にして抵抗を併用して簡易的な方電気を作ってみようと思います。シリコンダイオードと抵抗1本だけです。

これまでの経験から、エネループプロは満充電保管しているとメモリー効果のような現象が強く発生し、突然死または死んだふりをする傾向があるようです。
そもそもニッカド・ニッスイは放電しきって保存し、使う直前に充電するのが正しい使い方です。メモリー効果が出るため、使い切ってから充電が基本から来ています。
しかしサンヨーはこの問題を技術であるていど回避し、自己放電が少なくメモリー効果も少ないエネループを開発しました。それゆえあまり気にせず扱えるようになったのですが、容量を重視したエネループプロだけは勝手が違うようです。

ちなみにエネループには3種類ありますが、それぞれ

・プロ 大容量2500mAhだが繰り返し充電回数は500回
・普通 容量2000mAhで繰り返し充電回数は1000回 最も安定の定番
・ライト 容量1000mAhで繰り返し充電回数は3000回 重さも軽い

という特徴があります。
用途にあったチョイスをしましょう。

なお、エネループは満充電での長期保存ができる充電池ですが、非常用に常備するには向いていないと思います。非常用に常備するならエボルタNEOが一押しでしょう。10年保存できますし、エネループより安くパワーもありますから。
充電式は日常使いに活用しましょう。


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