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SONY ICF-5800を修理 [電子工作一般]

去年までは何の問題もなかったのですが、今年に入ってからFM以外(MW/SW)がバリバリ雑音が入るようになりました。そして先日、何も聞こえなくなってしまいました。

重い腰を持ち上げて基板を取り出してみると、有名な水虫トランジスタのオンパレード。
2SC710の足が銀マイグレーションを起こして真っ黒です。

2SC710の本物はなかなか手にはいらないので代替品として2SC1675Kを選定。
それもセカンドソースのものですが似た特性らしいです。
ヤフオクで30個510円のものを入手しました。
すべてhfeを測定してみたところ85~101でした。
出品説明には90~140と書いてあるんだけどね。測り方で変わるし90前後有るのでヨシとしました。
※通常はIc=1mAとなるときのIbから求めます。

FMは問題ないのでブロック図からFMが関与しないトランジスタを抽出。
この回路、トランジスタを減らすためにAMとFMで共用して切り替えているんですね。
結局AMのみで使っているトランジスタは1st MIXのQ4のみに。これが怪しいと思って交換しました。

よく聞こえるようになりました。
感度も復活。
NHK R1でエージングしていますが、バリバリ言うことも無く安定しています。

Q4以外にも2SC710は使われていますが、とりあえずQ4だけ交換したら治ったので修理完了としました。またおかしくなったら別のトランジスタも交換しましょう。

2SC710は9個使われています。
Q2 FM MIX
Q3 FM OSC(ここにはftとhfeが高いものを奢りたい)
Q4 AM MIX
Q5 AM BUFFER/FM IF
Q6 AM OSC/FM IF
Q8 AM IF/FM IF
Q9 AM IF/FM IF
Q10 AM IF/FM IF
Q11 FM IF

2SC710は銀マイグレーションで壊れるそうですが、一度に全部壊れることはありえず、たいていどれか1つが壊れます。その1つがQ4でした。

★★★ おまけ ★★★

2SC710の代替トランジスタの話はネットでも色々見つかります。
特性がほぼ同じものも有るようですが、秘密と書かれていて公開されていません。
修理を生業にしている方かもしれません。

調べた結果を書いておきますので、ここを見に来た方は参考に。

2SC710
 標準的なhftは90程度。ftは150~200MHz程度。
 ソニーのラジオに定番的に使われていたようです。
 2SC710は三菱が作っていたみたい。

2SC380
 以前は良く代替として使われていたようですが、現在は入手困難。FMにはftが足りないそうです。
 FM OSCのQ3には選別が必要になるかも。

2SC1675K
 NECがオリジナルで、セカンドソースが流通しています。
 よく使われるセカンドソースのKランクのhfeは90~140で2SC710とだいたい同じです。
 ftも150~250MHzと同じ。
 今回選定したのはこれです。
 Q3のFM OSCに使う場合はhfeが高いものを選別したいところ。
 足の順番は2SC710(BCE)と逆の普通の配列(ECB)です。
 元は2SC460(日立)の代替として流行ったようです。古いTRIOの無線機によく使われていたとか。
 この2SC460も2SC710と同じく銀マイグレーションで壊れるとのこと。

他、こんなものも似た特性みたいです。
実績はわかりませんが、検索して代替候補として出てきた型番です。
2SC1363、2SC1787、2SC2786、2SC3315、2SC819、2SC461、2SC668、2SC723

定番の2SC1815はftが80MHzと低く(AMには使えそうですが)、hfeがかなり高いのでいまいちだそうです。
このICF-5800には2SC945も使われているのですが、RF系には採用されていません。C945のほうがft高いのになぜでしょうね。NFが悪いのかな?確かに低周波増幅用って書いてあるけど。
C945は結構好きなトランジスタです。FMトランスミッタではよく使ったし、個人的にはC1815よりよく使ったかも。



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