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TSSの最近の動向(海外製無線機や中華ハンディ) [アマチュア無線]

最近、TSSの保証認定が厳しくなっているという声をチラホラ耳にします。
今日はそのあたりを書いてみます。

技適以外の送信機はTSSで保証認定を取る必要がありますが、特に海外製のRIG(例えばエレクラフト)や、最近流行の激安中華ハンディーの保証が厳しくなっているようです。
私は中華ハンディUV-3Rmk2をTSSで保証を受けましたが、とくに質問等は来ませんでした。しかし、最近は申請をすると質問が来て回答に困っているという相談を受けることがあります。

エレクラフトのHF機について。
日本では許可されていない5MHz帯の送信ができる物は保証しないそうです。HF機のオフバンド対策はわりと緩いのですが、ゼネカバ(どの周波数でも電波が出せる)物はダメで、ハムバンド単位で区切ってある必要があります。そんな中で、USのバンドプラン5MHz帯とJAの非常通信週周波数の4630KHzは近いのですが、これは別扱いされているようで、以前は通っていた物が最近は通らなくなっている現実があります。KX3が発売になったばかりですが、この件で引っかかっているようです。なお、KX3は組み立て後に処理をしてくれるとのことです。というのも、直輸入のキットの場合は5MHz帯を禁止していないそうなので、組み立て後に米国に送って直してもらう事になると思われます。EDCからサポート込みで買えば、組み立て後にやってくれるそうです(直輸入品やサポート無しは対応してくれません)。

中華ハンディについて。
まず、2mのオフバンドに関しては、以前からとても厳しい扱いをしていることを言っておきます。これは、2mの前後は重要通信が数多くあり、たとえ操作ミスであっても妨害を起こしてしまうことは避けねばならないからだと聞いています。オフバンドは絶対許されないようです。よって、JAのバンドプランにできない中華ハンディはTSSを通すことは無理です。
また、申請者のスキルをみているようで、上級資格を持ち、TSSでの申請実績(自作や改造機)が多数ある場合は割とすんなり通してくれますが、初級資格で実績の無い人からの申請は細かく突っ込まれるようです。これは、その人が十分なスキル(知識・技術)を持ってやっているのかを確認しているのだと思います。TSSの保証認定は書類審査のみなので、誰かの書類をコピペして作ることも可能ですから、きちんと判っていて申請しているかどうかが大きな判断基準になっていると思います。
さらに私が調べた感じでは、中華ハンディはオフバンドはもとより、機種だけでなくロットによってスプリアス特性(電波の品質)が悪い物がたくさんあります。これらは判っていてきちんと対策を取って自信を持って申請しているなら問題ありませんが、それは書類上だけなら何とでも書けますし、口だけというのも実際に多くあるでしょう。ここでも、申請者のスキルと実績(1個人に対する信頼)を問われるわけです。

まず、販売店がきちんとサポートしてくれるところ(証明書や書類を準備してくれる)以外からの購入は、スキルに自信がない人はやめておいた方がよいです。めんどくさいことになりますから。
腕に自信がある人はこんな記事は読まなくても大丈夫でしょう。回路図が読めて、データシートを理解し、どうやって電波を発しているかを説明できる人しか、新規に自力で通すことは難しくなっているようです。

なお、私が記事に書いたUV-3Rmk2の特定ロットに関しては、TSSの実績がありますので、この雑誌の記載通りに対応したと書けば通るでしょう。(改善改造は難しいですが、ちゃんとやらなきゃダメですよ)
しかし、派生モデルが大量にあるので、その他の新しい機種は最初の第1歩の敷居はかなり高いでしょう。

私は日常的に電子回路を扱っています。本職ですので、回路図は読めますしデータシートも理解できます。測定したり問題点の対策を行うスキルもありますので、このあたりは得意とするところなので問題ありません。
資料を欲しいという相談が何件かありますが、持っている資料以上の物は出せませんし、それを使ってTSSに申請して問い合わせが来ても、先に書いたとおりの理由だと思うので、私はこれ以上は何もできません。既にある物はOpenにしますが。(というか、ここに殆ど公開しています)

もうすぐ開催されるハムフェアーでも、これら中華ハンディが会場で売り出されるという情報を得ています。きちんとした申請実績をもって、サポート書類付きで出すブースもあるようです。こういうところから買えば安心できますね。
また、去年のハムフェアーでオフバンドできる状態の中華ハンディを大量に売りさばかれた事実から、今年の関ハム以降はTSSを通せる根拠がないと販売できないというお触れがでているようです。酷いスプリアスを出す物は言語道断ですが、なんと言ってもオフバンド対策がポイントらしいです。よって、いろいろと手間をかけなければ出せないので。今年は激安品は出てこないでしょう。とはいえ、YAESUとか大手のよりはずっと安いでしょうけど。でもね、安かろう悪かろうですよ。使い捨て感覚なら良いですが。


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JH7UJI

こんにちわ、最近、TSSでK3の保証認定をいただきました。
アマチュア無線再開組ですので、最近TSSが厳しくなったのかは不明ですが、最初は保証できませんから始まって、交渉して2度の手直しを経て、なんとかOKをもらいました。
当然、図面は読めなければだめですし、試験を受けている感じでした。Hi..

by JH7UJI (2012-08-16 23:10) 

小島(7L1WRK)

BWTさん、UJIさんはじめまして。

ネットで調べていたところ、販売証明書(販売店が有料で発行?)がないとダメだとか何だとか釈然としないものがあったのですが、ここのBlogの記事を拝見してTSSの対応に納得しました。BWTさんの書かれている通り、144MHzでオフバンドできたりとか、公然とそんなものを販売していることに少し疑問を持っていました。

とは言ったものの現用のハンディがIC-3STとIC-W2という大きめで重たいものだったので最近の中華機に興味があって昨日はハムフェアで衝動買いをしてしまいました。(投げ売りしていたヤツですが、JAとJBの箱を見せられて「どっちにしますか?」って聞かれましたね。表向きオフバンドできないものだけ前面に出していても、実際にはアレなブツも販売していました。)
ある程度の実績があればすんなりと通してもらえるという情報も知ることがこちらの記事で判ったので少し安心しています。私の場合、過去に自作SSB/AM機、自作SSB機、自作DSB機とそれから自作2.4GHzデジタル機の保証認定を受けているので望みがないわけじゃなさそうですね。

いろいろ調べてがんばってみます。




by 小島(7L1WRK) (2012-08-26 22:27) 

sawada

TSSに限らずだと思うのですが、どこかの資料をコピペするのではなく、すべて自分で書いた資料で出しているというのは、私がすんなり通っている理由の一つだと思います。
自分で資料を作成する(ブロック図も全部書きます)ということは、ちゃんとその中身を理解していると言うことに繋がると思うのです。

大学のレポートと同じです。自分で調べず理解せず誰かのコピペで出すと、見る人が見ればすぐ判ってしまうと言うアレですね。
突っ込まれると答えられないので簡単に判ります。

今年のハムフェアーは前日の準備から出展者としてフル参加したのですが、初日に場内アナウンスがあり、「保証認定を取得できない外国製無線機の販売は禁止しています」と言っていました。

去年は初物ということもあり飛ぶように売れていたようですが、今年は去年よりも値段が安くても「飛ぶ」程は売れていなかった感じに見えました。ブームのピークは先月の関ハムあたりだったのかなと顔もいまいした。というか、HAM人口は右肩下がりですから、需要はほぼ一巡したのかもしれませんね。


by sawada (2012-08-26 23:26) 

小島(7L1WRK)

ブツを手渡す段階になってから「どっち?」って聞いていたのは主催者側からのリクエストがあったからなんですね。ぶっちゃけ、後ろめたいところがあったわけだ・・・・。

大学のレポートと同じというのはうまい表現だと思います。毎回提出日の早朝までかかって作成していた実験レポートを思いだしてしまいました。
by 小島(7L1WRK) (2012-08-27 00:23) 

JF1VRU

はじめまして。最近KX3でTSSの保証認定を通しました。
KX3のエレクラフトからの直輸入の日本向けについては、5MHzの代わりに4630kHzが送信可能に最初から変更されていて、TSSからは、日本向けのモデルであることの証明が求められました。
それと、マニュアルに記載の無い非公開情報も求められます。それらの情報の入手と提出に自信のない人は、国内の代理店から購入したほうがよいでしょう。
中華ハンディー(KG-UVD1P)も認定を通したことがありますが、そもそも、アマチュア局はオフバンドで電波が出せる必要がないので、オフバンドで電波が出るものをリスクを負ってまで買う必要はないでしょう。

by JF1VRU (2012-12-01 09:06) 

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