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ハンダ付けのお話 [電子工作一般]

ハンダのお話

ハンダごてはヒーターとコテ先で構成されています。
ヒーターはコテ先を加熱して、コテ先はハンダを加熱して溶かします。

ハンダはヒーターの熱で溶けると思っている方が多いのですが、間違ってはいませんがちょっと違います。この考えかたが上手なハンダのコツになります。

ハンダ付けはコテ先である金属の塊に蓄積された熱を使っています。
コテ先をハンダやハンダ付け部位に当てたとき、熱はコテ先にたまっていたエネルギーを受け取って加熱されます。

一度にハンダできる量はコテ先の蓄熱量で決まるのです。
※熱回復能力が高いコテは、ヒーターとコテ先の熱量コントロールが高度になってます

詳しく書くと、まず、ヒーターがコテ先の金属の塊を加熱します。
コテ先にはヒーターで加熱された熱エネルギーが貯まります。
そのエネルギー量はコテ先の金属の量(大きさ)で決まります。
暖まる時間はヒーターのワット数で決まります。
このコテ先にたまった熱エネルギーを、ハンダを溶かすのと、ハンダ付けする相手の加熱に使われます。ヒーターが熱を与えるのではなく、コテ先が熱をいったん貯めて相手に渡しているイメージです。

特に注意が必要なのは、大きな半田付け部を加熱するときです。
大きな基板に小さな部品を半田付けするときは、大きな基板側に熱を一気に奪われてしまって小さな部品が加熱できなくなります。
これがうまく半田付けできない原因になります。

小さな部品をハンダづけするからと、細く小さなコテ先を選ぶと失敗することが多いのです。
特に基板に表面実装部品のQFPパッケージをハンダするときにやらかします。
QFPパッケージはピンを1本1本ハンダしていくのではなく、大きなコテ先を使って一気に全ピン流すようにやるものです。これを「引きハンダ」と言います。

QFPやSOPの半田付けの時は、先端が斜めカットされたコテ先が便利です。断面が楕円になっているタイプ。3mm径くらいのを使っています。結構太いですよね。
HAKKOだとBC型を使います。込み入った場所でのリワークにはBC2を使う場合もありますが、基本的に蓄熱量が大きい、なるべく大きいコテ先がよいです。

位置を決定したら四隅を仮ハンダして固定します。
次に全周にたっぷりとフラックスを塗ります。
次に、半田付けする列が自分から見て縦になるように置き、ピンと直角になるようにコテ先を当てて、ピンの上を上から下に撫でるようにハンダを供給しながら滑らせていきます。こうやって1列一気にハンダします。
このときブリッジは気にしません。慣れてくるとハンダ量とスピードが工夫できてブリッジせずにできますが、最初からは無理なのでブリッジしまくりでよいです。最後の2ピンだけブリッジしている仕上がりが、ハンダ量とスピード、そしてフラックスが効いている状態です。

仕上げにソルダーウイック(ハンダ吸い取り線)を使って余分なハンダを吸い取ります、
わずかでもハンダが残っていれば導通していますから大丈夫。ピンと基板の間にハンダがしみこんでいますので。

余談。

AlliexpressなどではHAKKOのFX951のコピー品が売ってます。数1000円で買えます。
あのコピー、すごくよくできていて完全にデッドコピーです。
外装は本物の金型からコピーしたものでしょう。ロゴ消しした痕跡があります。
ただし、コテ先だけはあそこから買っちゃだめです。すぐ壊れるし、性能も悪いので。
コテ先だけは純正を買いましょう。(できれは本体も純正を。。。)


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