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ソーラー発電(太陽光発電)ノイズ【2章-9】 終結 [アマチュア無線]

レオパレスから連絡が来ました。
オムロンでの検討結果のレポートもPDFで添付されていました。

メーカーのオムロンと対策検討を行っていたそうですが、オムロンの検討結果としては、全文引用は避けますが概略として、
  • 14MHz帯でのノイズでは、機種を変更しても効果が無い
  • 対策としては、AC側とDC側にノイズフィルターを付ける
  • アンテナに一番近いPVパネルとその配線からの影響(ノイズ輻射)と考えられる
  • 現状でS9+20dBのノイズレベルをS0まで低減させるには74dB(約1/2500万)のノイズ低減が必要
  • 効果が高いと考えられるノイズ対策を行っても、その効果は30dB程度にとどまる
  • 以上の検討結果から、影響解消は困難と判断する


  • との事で、レオパレスとしては「設備を撤去する」という結論になったようです。
    また、オムロンのコメントとしては、

    弊社製パワーコンディショナにつきましては、自主的に、電磁妨害波に関する規定である、VCCIクラスBを満足することを確認しております。また、弊社製パワーコンディショナの施工マニュアルでは、別紙のようにアマチュア無線への影響に対する注意喚起を行っています。


    との事。
    オムロンのWebにあるカタログには記載されていませんが、施工マニュアルにはきちんと書かれていたようです。これをちゃんと読まずに工事に進んだのは、施工業者の責任でしょうか。それとも、レオパレスが環境アセスメントをせずに進めたからでしょうか。どちらも正しいと思いますが、一番の問題は法整備ができていない事と、ノイズに対する考察が無頓着すぎる事でしょう。

    さて、これで第2章も笑い話のように終結しましたが、実は水面下では第3章を進めています。
    第3章は自身の問題だけではなく、国内のノイズ問題というレベルです。現在、JARLの関係者ともコンタクトが取れるようになったので、密に情報交換を行うようにしています。さらに、先に書きましたように法整備が間に合っていないことが最大の問題ですので、業界に注意喚起を浸透させると同時に、法整備に進むように働きかけていこうとしています。相手が法律ですので、大きな力が必要な上に時間もかかります。
    しばらくはアマチュア無線家である自分たちが、自分たちの力で1つ1つ問題を解決していくしかありません。なにしろ業界からしてみたら、現在の法律には何ら抵触していないのですから(VCCIというノイズ規格はありますが、HF帯の放射電界強度の規格は無く、しかも業界自主規制でしかありません)、基本的に無線通信環境の既得権を縦に紳士的に対応していただくしか手立てはありません。
    私の事例ではレオパレスが紳士的な対応をしてくれたので、このように2回目とはいえ綺麗に着陸することが出来ました。しかし、相手が一般家庭だったらそうはいかないでしょう。お金を出した当人が簡単にウンとは言わないでしょう。趣味のアマチュア無線に対する理解も小さいと予想されますし。

    今後は多くの事例データを元に、なるべく早く広く現実を拡散する(啓蒙活動)と共に、法整備を進めるようにたきつけていく、長い長い戦いとなると思います。

    繰り返しになりますが、お願いがあります。

    ソーラー発電設備からのノイズにより、無線通信に障害を受けている方は情報をください。
    その位置関係、障害の状況、先方との折衝はしているのか、解決したのであればその内容。
    非公開での情報提供を希望される方はその旨を書いてメール(sawada@bwt.jp)でお知らせください。
    多くの事例が力となり、私たちの電波環境をクリーンに保てる肥やしになります。
    どうか、些細なことでも良いので情報をお願いします。

    hamlife.jpにも取り上げていただけました。
    http://www.hamlife.jp/2014/10/08/solar-hatsuden-syougai-bosyu/

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    JF0WBW

    私の隣にも新築の家が建ち、ソーラー発電を始めたようです。その頃から144MHzほぼ全てで深夜以外はSが7~9振るようになりました。
    私は因果関係が証明できるまでのすべがなく泣き寝入りの状態です。
    ノイズレベルについてはLED電灯と共に是非とも法整備をお願いしたいところです。
    アパートより一般家庭の方が今後の近所付き合いもあり厄介だと思っています。このまま泣き寝入りにならないといいけどと思っています。
    by JF0WBW (2014-10-20 23:20) 

    sawada

    お隣からの障害ですか。これはいろいろな意味で大変だと思います。
    おそらく、説明も難しいですし、近所つきあいという大きな問題もありますので、直接お話をするというのも難しいかもしれません。

    まず、どのメーカーか見て判るでしょうか? 外にパワコンが見えれば判りますし、パネルの縁にメーカーロゴが大きく入っている例も見たことがあります。
    メーカーが判ったら、メーカーに直接相談して、対応をしてもらうのが当たり障り無いスタートかと思います。

    しかし2mというのは珍しいです。
    これですと他の無線にも障害が出ている可能性もあるので、メーカー経由でのコンタクトが無理であれば(メーカーが判らない等)、思い切ってお隣さんに相談に行くしかないでしょう。

    まずは決めつけず、ソーラーシステムから無線通信への障害が最近になって大きな問題になっていることを話して、「もしかしたらその影響が出てしまっているかもしれないので、運転をON/OFFして確かめることに協力していただけないか」と相談します。私のレオパレスの例もまずはそうしました。半信半疑でのスタートです。
    そして障害がON/OFFに連動していることがわかったら、施工業者とメーカーを教えて貰って、あとはこちらでやります。メーカーと施工業者には責任がありますので、きちんと対策なりをとってくれるはずです。
    2mだけなら撤去まで行かずに対策は割と簡単にできると思います。もちろん、費用は施工業者やメーカー持ちです。

    基本的に無線設備の近隣には設置禁止としているメーカーがほとんどです。うちみたいに条件によっては直せないからです。しかし、その警告を読まずに施工する工事業者が後を絶たないのが現状です。だいたい、そういう業者は手抜き工事を行っているので、それ以外での問題も後々出てくる可能性があります。台風でパネルが架台毎吹き飛ばされて車に落ちてくるとか、そういう事故が実際に沢山発生しています。

    よろしければ地域(市/郡程度)を教えていただけますか?
    また、障害を受けているのは2mだけなのか等も。
    メールでもかまいません。sawada@bwt.jpまで。
    by sawada (2014-10-21 01:20) 

    JF0WBW

    さわださまアドバイスありがとうございます。
    たまたま時期が一致したことも考えられるので慎重に考えています。
    おそらくHFからVHFまで広い範囲で出ていると思います。ちなみに430MHzまでいくとノイズがなくなります。アンテナから隣の家の屋根まで距離が約5mと近いことも原因かなと思っています。屋根もソーラーを載せることを前提に南側に傾斜させ専用で設計されているようで、屋根一杯に設置しています。建築の際、ソーラーの話はなかったため、寝耳に水といった感じです。正直そんな事情があり、一番メインのソーラーについて連絡するのを躊躇っています。
    まずは設備の確認からしたいと思います。
    by JF0WBW (2014-10-21 01:36) 

    JA2CTG/1、JQ1KYL

      HAM仲間から、貴兄の記事(別冊CQ ham Radio QEX Japan No.14)を紹介していもらって、初めて最近のHF帯の酷いノイズが、ソーラーのパワコンからのノイズだったかと思い当たりました。Youtubeで聞いたノイズと同じ感じです。小生の住居は横浜市栄区の戸建て住宅地で家は立て込んでいます。早速、半径100m以内のソーラー設置状況を見ましたら5軒も設置していました。
      小生は主に、14と21MHzとVUで運用しています(7と50も近々出たいと準備中です)が、チェックした限りは、7、14、21MHzが酷いです。アンテナはHFに帯は4エレメント3バンド八木ですが、高さを7mから17mに変えても方角を変えてもノイズレベルは殆ど変わりません。
      設置家屋は全て戸建てで、距離は近い方から、47、52、57、66、90mです。当家の北から東へ4軒、北から西へ1軒で南側はゼロと偏っています。ノイズレベルは最大でS7くらいなので対策が出来るのではないかと考えたいです。
      ただ、家屋1軒でスイッチON/OFFしてもらっても、どの程度ノイズが減少するのか、わからずに、影響を確定するのは難しい感じがします。それぞれの家屋からノイズが出ているかどうかを示すために何をやれば良いのかわからずに困っています。ひとつは貴兄の実施されたトランシーバーと電界ループは良いと思います。このフープは簡単に作れれば、それで各家屋のパワコンをチェックできると思うのですが(FT-817は元々買おうと思っていましたので)。それで家の近くでチェックして、おもむろに話しをしに行くのが良いかなと考えています。ソーラー発電ノイズについての説明書を作る必要があるかなとも考えています。より良い方法がありましたら、アドバイスをいたければ幸いです。
    by JA2CTG/1、JQ1KYL (2015-04-13 20:59) 

    sawada

    微小マグネチックループアンテナ(SMLA)の作り方はこちらにまとめてあります。詳細な動作原理等は海外のサイトや論文を探して下さい。
    bwt.blog.so-net.ne.jp/2013-03-16-3

    SMLAはノイズの発信源を突き止めるのには非常に有効ですが、感度がものすごく低いのでピンポイントでノイズ対策をすべき場所をサーチするためにしか使用できません。

    家単位でノイズ源を探すには、ポータブル機(FT-817が最適)とHFのロッドアンテナ(コメットのBNC-750)が便利です。おおざっぱな方角を自宅のビームアンテナで探しておいて、あとは足を使って大きなノイズを出している家を探すことになります。

    対策はノイズ発生側でやらないと無意味ですので、設備を設置している家の協力が不可欠です。S7程度でしたら私が行った標準的な対策が効果あると思いますが、問題は費用です。アマチュアがクランプコアを付ける程度では効きませんし、電気工事になるので資格が必要です。最近はメーカーの協力体制も落ちているようで(対策が困難なのを知っているため近くに付けないでくれと逃げている)、協力を得られることになってもその先のハードルは高いです。

    この問題はご存じの通りメディアも滅多に扱いませんし、マスコミも振れていません。政府の圧力があるのか解りませんが、商業的にイケイケどんどんな状態なので振れにくいのかもしれません。
    また、QEX Japan No.14に書きましたとおり法的な問題もあり、現状は紳士的な対応でしかできず強制力もありません。そのうち解決すると思いますが長い道のりです。
    ※No.15では具体的な対策方法と各地での事例を紹介しています。

    ノイズの解説については私のサイトと記事が一番詳しいと思います。CQ出版の他、ラジオライフ別冊のRL DXにも連載していました。いくつかのサイトにも情報はありますが(JP1LRT局のサイトにはメーカーへのインタビュー結果がまとめられています)。

    ノイズ発生のメカニズムも知っていますが、これを記事化するのはかなり大変なのと難しい話になってしまうところがあります。

    by sawada (2015-04-14 00:52) 

    Hashimoto

    SAWADA様、
    ご多忙のところ、早速、詳細なアドバイスをありがとうございました。
    まず、FT-817NDを準備します(もちろん、これだけのために購入するのではなく移動運用と非常時の運用を考えています)。ロッドアンテナは、第一電波工業のRHM10がありますので、これが使えると思います。
    ビームアンテナは回してみましたが、ほとんどSに変化が無かったので、それで方角を探すことは無理とわかりました。それぞれの家は近いので、家の近くまで行って、ノイズの大きさから、特定したいと思います。みんな同じような大きさのノイズを出して居るかも知れませんが・・・
    メーカーの協力体制もおちていますか・・・そうだとすると、ノイズに対する知識もない小生にとって、施工店やメーカーを動かすのは、難しいかも知れませんね。それでもソーラーを設置している家の人に施工店やメーカーを教えてもらうことからやってみます。
    QEXのNl.15は、ネットで見ても出ていませんが、まだ発売されていないのでしょうか。いつ頃発売かご存知でしょうか。いろいろ勉強をしていくつもりです。
    ご紹介のJP1LRTさんのHP見て、メーカーへのインタビュー記事を見つけることが出来ました。中身が濃いので、これから読んで勉強したいと思います。
    また、進行したらご報告します。
    最後に、返レスが大変遅くなったことをお詫び致します。
    de JA2CTG/1,JQ1KYL

    by Hashimoto (2015-04-18 23:18) 

    Hashimoto

    SAWADA様、
    その後、FT-817NDを購入し、まず、ダイアモンドのロッドアンテナRHM10で、ソーラーを設置している家の近くまで行ってノイズの状況を見ました。14MHzでチェックしてみましたが、S7-8辺りで思ったほどレベルは高くありませんでした。3軒見ましたが、だいたい同様でした。そして驚いたことに家の中にSが高いところがありました。一番ノイズが高かったのはルーターや無線ランのある付近でした。
    そこで、SAWADA様にご教授頂いた微小マグネチックループアンテナを作り、その周辺をチェックしましたが、一番酷いのは、ルーター(有線LAN NEC AtermBL170HV)でした。この電源を切ると、14MHz、21MHzで数十KHzおきに出ていたピュロピュロノイズの8割方が消えました。もちろん、強いノイズも出ていますが、数はがくんと減りました。
    当家はKDDIの光回線をつかっているので、まずルーターの供給先であるKDDIに電話しましたが、ルーターのことは分からないと埒があかず、そこからNECのサービスを紹介されて電話しましたが、きょうは土曜日で営業時間外で繋がりませんでした。来週月曜日に、電話します。
    まず、このルーター・ノイズ問題を解決してから、ソーラー・ノイズ問題に取り掛かろうと考えています。ネットで見ても、ルーター・ノイズとアマチュア無線の関係の記事が見つかりません。マイナーな問題なんでしょうか・・・。
    とりあえず、ご報告まで。
    また、進展がありましたら、ご報告します。
    de JA2CTG/1 JQ1KYL
    by Hashimoto (2015-04-25 17:49) 

    sawada

    自宅のルータが酷かったですか。
    確かにうちのも2mでノイズが出ています。
    他にもCATVの漏れも2mメインにかぶっていますし、ノイズ源はあっちこっちにある感じです。

    サーチプローブを使うとピンポイントで発生源を絞り込めます。
    ルータの本体から出ているのか、ケーブルに漏れ出しているのかもわかりますから、対策の指針も立てられると思います。もし本体からの漏れが多かったとすると、ケーブルにパッチンチョークを付けても効きませんから。放熱(通風)の問題があるので、アルミ箔で包んでしまうわけにもいかず、電波吸収シートは非常に高価ですし、なかなか厄介です。

    がんばってください。


    by sawada (2015-04-28 22:41) 

    Hashimoto

    SAWADA様、いつもコメントをありがとうございます。
    NECのサービスは連休中はずっと休みなんですね!これが「サービス」でしょうか・・
    ルーターの交換品が来たので、テストしましたが、やはりと言いますかノイズは同じでした。本体にメッシュ金網を被せてサーチプローブで見たら本体からはノイズはほぼ出なくなりましたが、2階シャックの受信機には同様レベルのノイズが出ていました。何も繋がない状態でルーター本体を受信機の前で電源ONしてもノイズは大したことはありません。それでメインのノイズは本体からでは無いことが分かりました。
    そこでルーターに繋いだLAN、WAN、TELケーブルを抜き差しして調べた所、WANケーブルを抜くとノイズレベルが大きく下がりました。手持ちのフェライトコアやトロイダルコアを付けましたが、効果なし。これらコアの規格が分かってないので、あらためてノイズ阻止用に、トロイダルコアを「せんごくネット」に注文しています。このネットは、連休中はやってるのかどうか、わかりませんが、入手したらトライして、結果をご報告します。
    de JA2CTG/1
    by Hashimoto (2015-04-30 23:59) 

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