技能の限界 [電子工作一般]
写真はチップ部品（抵抗やコンデンサ）。ボールペンの先と一緒に撮ったものです。
サイズは上から0.6x0.3、1.0x0.5、1.6x0.8、2.0x1.2。寸法数字をそのまま繋いで0603とかいう呼び方をします。
はんだづけは得意中の得意な作業なのですが、さすがにここまで小さくなるとかなり難しい。
1608までは裸眼でチョチョイですが、1005以下になると実体顕微鏡下での作業になります。
だいたい5倍から10倍に拡大しています。
両眼で見ないと距離感がつかめないため、このような実体顕微鏡を使います。
はんだごてもちょっと特殊で、加熱性能が高いものを使わないと、無鉛ハンダ（今までの有鉛ハンダと比べて融点が高い）は
うまく扱えません。特に微小チップの場合は、基板に熱がすぐ逃げてしまうから。
愛用している高周波ハンダゴテ。
450kHzの高周波で先端チップを加熱します。加熱速度が速く、加熱安定性に優れています。
携帯電話(※)とかの超小型機器には、この0603というチップが使われています。これはもう人間の手で扱う限界を超えています。
もちろん、大量生産の時はロボットが自動的に実装していきますが、実験や開発段階ではこのチップの付け外し作業が頻繁に
あるのです。外すのは慣れれば割と簡単なのですが、付けるのがこれまた大変なのです。
※私の仕事は携帯電話を作っているのではないです。具体的テーマは書けませんが電子回路の技術開発です。
さて、私は仕事中はメガネをかけているのですが、視力が悪いのではないです。幸いにもまだ老眼にもなっていません。
こういった微小な部品や図面を凝視すると、乱視が邪魔をして正確な作業が出来ません。よって、乱視矯正のみのメガネを
かけています。ところがこのメガネ、実体顕微鏡を覗くのに邪魔なんですよね。視野が安定しません。
チップ部品も1005サイズまでは顕微鏡下で普通に作業できます。無理すれば裸眼でもできます。（FT-817の改修で紹介）
しかし、この0603は厄介です。さすがに技能の限界を感じました。もう少しツールを工夫してやればなんとかなりそうですが。
直接加熱ではきびしいので、ホットエアを使ってみようかなと。これはこれで、また違ったテクが必要ですけどね。
うちだと普段は1608，小さくても1005までですね．
実体顕微鏡(Nikon)はあるけど，検査にしか使ってません．
無鉛ハンダも置いてあるだけで，やっぱり鉛入りの方を
使ってしまいます．鉛は偉大だなぁ．hi
by ocr (2007-11-30 17:31)
もしも私が技術者だったら・・・花粉症の時期には扱いたくなくなりそうです。
わたしのくしゃみは風圧もすごいし、からだ全体でするので
机を蹴飛ばしてチップ部品がどこかに飛んで行ってしまいそうですね。
＞外すのは慣れれば割と簡単なのですが、付けるのがこれまた大変なのです
「壊すのはカンタンだけど、直すのは難しい」と同義語なのですかねぇ～。
分解したものを組み立て直すと必ずネジが余るＵＳｏＺｏでした。
by USoZo(JL1USZ) (2007-11-30 21:08)
実態顕微鏡は、一度使うと手放せませんです。
細部までよく見えるので、何をするにも実態顕微鏡を使いたくなってしまいます。
つめを切るときに使うと、極限まで短く切ることが出来ますし。
by WPJ (2007-12-01 13:16)
初めまして
先日初めてチップコンデンサとチップ抵抗を使うはめになりました。
たぶん２０１２だと思うのですがツメで抑えながらの加工だったので１０個めくらいには焼けど状態になってしまいました。
これからは冶具や工具集めに力を入れなければならないのでしょうか？
相当老眼が進んだ初心者より・・・
by hide/ＪＥ１ＪＢＫ (2007-12-02 17:58)
しっかりしたピンセットを使ってみたらいかがでしょうか？ おすすめはホーザンのP-894（強力型ピンセット）です。しかりした物じゃないときちんと摘めませんし、力んでピンッとチップを飛ばしてしまうこともあります。
by sawada (2007-12-02 23:02)
ホーザンのP-894（強力型ピンセット）ですか。機会があったら秋葉で探して見ます。
・・・爪で抑えても２個ピンッと飛ばし、１個行方不明（捜索中なるもたぶん掃除機に食べられてしまったのではないかと。）
by hide/ＪＥ１ＪＢＫ (2007-12-03 12:53)
このピンセットはそんなに高価でもありませんし、丁寧に使えば一生物です。携帯電話やってる連中も使ってました。ヤワなピンセット（特に先が細いだけのもの）は、力あまってピンッ！と飛ばしやすいです。Labなら代わりはいくらでもありますが、キットとかでは必要数しか入ってませんしね。飛ばしてしまうと悲しくなります。
コテは普通のセラミックヒーターの物で十分です。ただし、極端に先がとんがったコテ先よりも、Dカット（かぐや姫が出てきた竹の切り口）タイプの方が使いやすいです。それか、普通のAタイプで。
ハンダはテンロク（0.6mm径）が抜群に使いやすいです。
HOZAN P-894 定価1,365円
http://www.hozan.co.jp/catalog/nippa_penchi/P-894.htm
チップ抵抗とかの乗せ方のコツですが、
1.マウントする基板ランドの片方（A端）にのみハンダを盛る
2.A端のハンダを溶かしながら、ピンセットでつまんだチップを乗せる（滑り込ます要領）
3.反対側（B端）をしっかりハンダ付けする
4.最初に乗せたハンダ部（A端）にもう一度ハンダして仕上げる
全体が冷えないうちに2～4を完了させます。あまりゆっくりやると、A端とB端の温度差でチップが割れる場合があります。
by sawada (2007-12-03 13:08)
私はピンセットといえば Regine （レジーネ，スイス製）ですね．
御徒町辺りで売ってるかな．もともとメレダイヤみたいな細かい
ものを扱うのに適しているので，チップ部品にもいいです．
いろんな先があるので，自分の用途に適したものが選べるでしょう．
最近はチタンもありますが，私は INOX の方が好きです．
by ocr (2007-12-03 15:52)
さすが工具オタク失礼、工具マニア、たいして変わらんか。Hi
安価で入手性が良いのでHOZANを使ってます。ただそれだけ。
でも、一ついえることは、良い道具は良い仕事に繋がる。です。
きりがないけどね。
by sawada (2007-12-03 15:58)
HOZAN P-894 ・・・ お医者さんが使っていそうながっちりしていそうなﾋﾟﾝｾｯﾄですね。
100円ショプで売っている安物だと、力をいれたとたん クネッとなって ピシッと 一瞬にして視界外へ飛んでいくんでしょうね。
この時の気持ち、相当自己嫌悪におちいります。
分かり易い説明で半田付けの方法まで伝授してもらい恐縮です。
戦う前から戦意喪失していたチップ部品にも少しは 抵抗 できそうです
by hide/ＪＥ１ＪＢＫ (2007-12-03 23:37)
Regine もそんなに高いわけではないし，結構
入手も簡単ですよ．Hozan と大差ありません．
秋葉でも買えるとは思うんですけどね．
これは tweezer の世界では多分もっとも有名なメーカーです．
化粧，医用，電子，ジュエリーなどさまざまな世界で
使われています．
一度使うとやめられない感触ですよ．言葉では
うまく表現できないのですが，触った瞬間に
一流って分かります．
by ocr (2007-12-04 01:10)
HOZAN P-891-ESD を 斎藤機工さんから買ってきました。
８９４は在庫が無いということで、握りが１５０ｇと２００ｇの違いだけだというこだったので ８９１ にしました。
Regineはセラミックのものしか無く、形状もチップ部品向けというわけでも無さそうだったのであきらめました。
これでとりあえず「手も足も出ない」ということは無さそうです。
by hide/ＪＥ１ＪＢＫ (2007-12-05 12:57)
大きめの方を買われたのですね。
891 先端0.6mm 200g
894 先端0.2mm 150g
でも、通常の範囲（1005とかを扱わない）では891で十分だと思います。
たわみが無く、しっかりした摘み心地はいかがですか？
一度使うと、100均のは何だったんだと思うと思いますよ。
私は0603を扱うためにTaxal（スイス製）を入手しました。これも使いやすいです。
→こいつは数千円します
by sawada (2007-12-05 13:33)
ただいま練習中！（なんでもつまめそうな気がします）
P-891-ESD（定価\2,100税込み）はグリップと先端保護用のキャップが付いているので、そそっかしい者としては大変助かります。
しばらく話し込んでいたら帰りがけに「HOZANの総合カタログ」を持たせてくれました。
そして、「HOZANだと △△％ 値引きできますよ」と囁かれてしまいました。
確かに「おぉっ！」という価格に思えます。
柱の向こうから気になる視線を感じるのですが、そのうちかみさんから没収される運命なのかも知れません。
まさか爪とか無駄毛とかの処理に使おうと思っていないことを祈っています。
by hide/ＪＥ１ＪＢＫ (2007-12-05 19:53)